もみじ訪問看護ステーションは、平成23年6月に開設し、現在6年目です。住所は高岡市西部の高岡市中保にあります。近くにはボールパーク(野球場)があり、静かな住宅地と田畑に囲まれた一角にあります。〈写真1〉
ここでは、人間の自然治癒力を整え、自らの持っている力を引出すように、療養環境を整えることが看護であると言うナイチンゲール理論に基づいた看護を提供し、安心できる在宅療養生活を支援しています。
職員は看護師10人(常勤6人・非常勤4人で、平成28年7月の常勤換算は8.3人となっています。また、作業療法士1人・事務員2人で合計13人です。年代別では30歳代が5人・50歳代2人・60歳代3人で、達人レベルの看護職集団です〈写真2〉。また、積極的な30代の作業療法士は地域の介護予防活動に参加し、地域リハビリの開拓を果たしています。さらに、看護師と作業療法士の連携を密に行い生活の中でのリハビリテーションを実施しています。事務職が2名おり、変動する事務処理全般を担当し、看護職が事務作業を負担することはありません。当所の特徴として、ICT化を4年前から推進しており、緊急時の対応を迅速に行っています。また、高岡多職種連携システムのネットワークに所属し、利用者や家族の想いや健康状態を同じチーム内での情報提供に役立たせています。〈写真3〉
平成27年度の年間利用者数は、173人で、延訪問件数は5949件でした。もみじ訪問看護ステーションの特徴は、1番目に24時間連絡対応体制を取り、27年度死亡者46名中在宅死亡者は26人で、その中で、ターミナル加算習得は20件あり、在宅での看取りに重点を置いた看護を強化していること。〈グラフ1〉
2番目に保険別でみてみると介護保険利用者が84%です。富山県全体では69%となっており、割合で比較すると当所は介護保険利用者が医療保険利用者より多くなっています。これは、初回依頼はケアマネージャーからが多く、地域包括ケアの発展に貢献させてもらっています。〈グラフ2〉
3番目は、疾患別利用者数割合をみてみると〈グラフ3〉の通り、最も多い疾患は認知症21.3%で2番目に循環器20.6%,3番目が悪性新生物15%で4番目は精神疾患8.1%、5番目が呼吸器5.7%です。富山県全体で最も多く占めている疾患は循環器疾患24.6%2番目は悪性新生物19.6%、3番は筋骨格結合織9.1%,4番は認知症8.2%で5番目が呼吸器6.1%でした。比較してみて、当所は認知症や精神疾患患者の利用者が多いことが明らかになりました。医療処置の少ない認知症や精神疾患の在宅看護は、支援者自身の生き方そのものが問われてきます。細やかな気配りや毅然とした態度が信頼関係構築のために求められます。主治医やケアマネージャー・精神保健福祉士・スタッフみんなで話し合い確認し合って、支援しています。
Ⅱ.一般の方に知って欲しい在宅医療への知識、情報
元気なうちから、自分の最期はどこでどのように過ごしたいかを考え、できたら、周囲の人々に伝えておくことが大切と思います。自分の人生の終わり方をイメージすることで、今日一日が活き活きとして大切な時間になってくると思います。
Ⅲ.雑感
訪問看護師は利用者さんと早期に信頼関係を構築するために、その人・家族の人生を知り、考え方や価値観を理解しようと努める必要があります。色々な人との出会いが訪問看護師にとって学びであり、楽しさです。これからも、色々な人との出会いを楽しみながら訪問看護を地域の中に根ざして行きたいと思っています。
※文中の資料(写真・グラフ)は『パンフレット』を参照ください。
【原稿執筆:もみじ訪問看護ステーション管理者 増田千春 様】